【第6回手動リピートFX講座】FXにかかる税金と節税対策を理解しよう〜ステップアップ編〜
こんにちはKei(@zerofx_kei)です。
今回は手動リピートFX講座ステップアップ編の第6回「FXにかかる税金と節税対策を理解しよう」の講義です。
第5回までの講義で手動リピートFXの利益率を高めるための方法を解説してきました。
しっかりと内容を理解して実践している方は順調に利益が出ていると思います。
FXで稼いだお金は一定の金額を超えると申告して納税する義務があります。
知らずに申告を怠っていると重大な問題に発展しかねません。
ここではFXの税金の仕組みを解説していきますので、不利益が生じないようにしっかりと理解をしていきましょう。
FXでいくら稼ぐと課税対象になる?
運用を始めたばかりで資金も少ないうちは税金の心配をする必要はありません。
しかし利益が一定額を超えてくると課税対象となり申告の義務が生じてきます。
万が一申告漏れが後から発覚した場合、追徴課税を徴収されたり悪質な場合は逮捕されてしまうケースもあるので必ず確認しておきましょう。
FXの課税対象となる所得とは?
FXの税金について考える場合に、まずは課税対象となるFXの所得について理解しなければなりません。
実際に課税対象となるのは
「為替差金」+「スワップポイントの利益」−「必要経費」=「課税対象額」
となります。
為替差金という言葉は聞き慣れないかも知れませんが、FXでポジションを売買した際に生じた損益からスワップポイントを除いた金額のことです。
「為替差金」+「スワップポイントの利益」については、毎年FX取引業者から年間損益報告書というものを発行してもらえますので、自身で帳簿をつけておく必要はありません。
FX取引のための経費も計上出来る
FX取引に関係する必要経費も計上出来ますので、節税のためにもしっかりと確認しておきましょう。
主に経費として計上出来るのは
・手数料
・ソフト購入費
・パソコン、通信費
・書籍、セミナー代
・事務用品費
などがあげられます。
ただし経費として証明するために必ず領収書が必要となりますので、なくさないようにしっかりと保管しておきましょう。
その他にもFX取引で利益を出すための経費であれば認められる可能性はあります。
明確な線引きは難しいので判断に困った場合は税務署で相談してみると良いでしょう。
FXの所得が20万円以上で申告の義務
FXの利益から先ほど解説した経費を差し引いた金額が20万円以上の場合は確定申告が必要です。
ただしこれは給与所得のあるサラリーマン等の場合で、専業主婦等の被扶養者や仕事をしておらずFX以外に収入がない場合は48万円以上で確定申告が必要となってきます。
FXで確定申告が必要になるケース | ||
給与所得者 | FXの所得が20万円以上で申告 | |
被扶養者や無職の場合 | FXの所得が48万円以上で申告 |
FXの運用で利益が出て、知らない間に申告の義務を怠っていたということがないように注意しましょう。
後から申告漏れが発覚した場合、追徴課税といって本来より高い税率を課されるケースもあります。
毎年FX取引業者からは年間損益報告書を発行してもらえますが、同様に顧客の取引結果を税務署に提出しています。
ですので、FX取引の収益を申告せずに誤魔化そうとしても必ずバレてしまいます。
利益が出て申告の義務が生じた場合は、責任を持ってしっかりと申告しましょう。
FXの所得にかかる税率は?
FXで運用をして収益が出ても、いざ税金の話になると不安になりますよね。
普通に暮らしていると、細かな税金の仕組みについて知る機会は少ないと思います。
ここではFXの所得にかかる税率について解説していきます。
納税の時期が近づいてきてから慌てないためにも、しっかりと確認しておきましょう。
FXの所得には申告分離課税が適用される
FXによる収益は「先物取引に係る雑所得」に分類されます。
「先物取引に係る雑所得」は通常の給与所得とは異なり、申告分離課税となっています。
ですので給与所得等の総合課税とは別に税額が計算される仕組みとなっています。
課税方法 | 所得の種類 | 計算方法 |
総合課税 | 給与所得等 | 対象所得を合算して課税 |
申告分離課税 | 先物取引に係る雑所得等 | 所得の種類別に課税 |
課税方式別の特徴を大まかにまとめると上の表のようになります。
一般的な認識としては、通常の給与所得とは独立して税金の計算が行われるという認識で良いです。
制度の目的としては申告分離課税制度があることで、例えばFXの所得に対する税率を下げて市場を活性化させようといった政策が取れるようになっています。
他にも退職金なども申告分離課税の対象となっています。
退職金を所得税と同様に総合課税をしてしまうと、累進課税が適用されてその年の課税額が通常よりも多くなってしまいます。
一般に退職金は老後の生活費としての目的が大きく、高い税率をかけるのは適切ではないといった理由から申告分離課税となっています。
FXの所得にかかる税率は一律20%
FXの所得には申告分離課税が適用されるということは、ここまでの説明で理解していただけたと思います。
それでは気になる税率はどれくらいなのでしょうか?
答えは簡単で、FXの所得にかかる税率は一律20%となっています。
ただし、東日本大震災の復興のための「復興特別所得税」が2037年12月31日までは別途0.315%課税されます。
合計するとFXの所得にかかる税率は20.315%ということになります。
さらに細かく見ていくと、税率の内訳は以下のようになります。
・所得税15%
・住民税5%
・復興特別所得税0.315%←2037年12月31日まで
損益通算と損益繰越で節税対策
ここまではFXの運用で利益が出た場合の申告の義務や税率について解説をしてきました。
しかし運用を続けていると運悪く、その年の収益がマイナスになるケースも出てくるかもしれません。
そのような場合でも確定申告をすることで、節税が出来てお得になることがあります。
ここではFXの収益がマイナスでも、確定申告をするメリットについて解説していきます。
損益通算で損益を相殺できる
FXの収益がマイナスでも確定申告をした方が良い理由の1つに、「損益通算」という仕組みがあります。
損益通算とはFXや他の先物取引による損益を相殺して申告を行うことです。
途中で解説したようにFXの収益は「先物取引に係る雑所得」に分類されます。
したがって確定申告をする場合に同様に「先物取引に係る雑所得」に分類される収益との間で、損益を合算して申告出来るのです。
損益通算の具体例 | |
FX取引 | 30万円の収益 |
先物取引 | 20万円の損失 |
収益の合算 | 10万円←課税されない |
このようにFXの収益は他の合算可能な取引での収益と損益通算することが出来ます。
FXの収益が課税対象額を上回っていても、損益通算の結果課税対象額を下回るケースがあります。
このような場合は確定申告をすることで節税対策が出来るので、忘れずに申告をおこないましょう。
主な先物取引に係る雑所得に分類される収益は
・FX取引
・CFD取引
・先物、オプション取引
などがあげられます。
運用商品として人気のある「株式取引」や「投資信託」の収益は譲渡所得、配当所得に分類されます。
したがってFX取引の損益とは損益通算出来ないので注意しましょう。
損益繰越で繰越控除が受けられる
FX取引しかおこなっておらずその年の収益がマイナスの場合や、損益通算をして収益がマイナスになる場合があります。
その場合でも確定申告をおこなうことで、翌年以降の3年間にわたって損益を繰り越すことが出来ます。
損益を繰り越すことで「繰越控除」と言って、翌年以降の利益から繰り越した損失分を控除(※差し引くこと)することが出来ます。
収益がマイナスとなって課税されないからと言って申告をしないのではなく、翌年以降に備えてしっかりと確定申告をおこなうことで節税対策となります。
繰越控除の具体例 | ||
年間の収益 | 通算の損益 | |
2023年 | マイナス30万円 | マイナス30万円 |
2024年 | プラス5万円 | マイナス25万円 |
2025年 | プラス20万円 | マイナス5万円 |
通算損益がマイナスなので非課税 | ||
2026年 | プラス30万円 | プラス25万円 |
通算損益のプラス分25万円に課税される |
繰越控除の具体的な例は上の表のようになります。
損失が出た年に確定申告をしておくことで、翌年以降の税金が少なくなるケースがあります。
確定申告をおこなわなかった場合は、翌年以降の繰越控除は受けられないのでよく覚えておきましょう。
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【第6回】手動リピートFX講座まとめ
以上で手動リピートFX講座ステップアップ編の第6回「FXにかかる税金と節税対策を理解しよう」の講義は終了です。
手動リピートで稼ぐ方法だけではなく、収益に応じて納税の義務を果たすことも非常に重要です。
今回の講義の内容をしっかりと理解して、不利益を被ることのないようにしましょう。
今回で手動リピートFX講座入門編、ステップアップ編の全ての講義が終了となります。
ここまで読み進めていただいた皆さんは、手動リピートFXで資産運用していくための知識がしっかり身についているはずです。
私の運用状況や相場状況に応じた細かな対応策なども、日々の収支報告の中で公開していきます。
皆さんの運用の手助けになる情報もあると思いますので、是非チェックしてみてくださいね。