【第4回手動リピートFX講座】クロス円以外の通貨ペアも運用しよう〜ステップアップ編〜
こんにちはKei(@zerofx_kei)です。
今回は手動リピートFX講座ステップアップ編の第4回「クロス円以外の通貨ペアも運用しよう」の講義です。
第3回の講義で複数通貨ペアを運用することの重要性について解説をしました。
複数通貨ペアを運用することで手動リピートFXの収益の安定性が高まり、リスクを分散するメリットも得られます。
豪ドル/円以外を運用するのに私がオススメする通貨ペアは豪ドル/NZドル(通称オージーキウイ)です。
豪ドル/NZドルはクロス円ではない(円を含まない)通貨ペアですので、決済損益や必要証拠金の計算方法が異なります。
今回の講義では豪ドル/NZドルをおすすめする理由を解説しつつ、クロス円以外の通貨ペアの運用の仕組みを解説していきます。
豪ドル/NZドルをおすすめする理由
私が豪ドル/円に加えて複数通貨ペアの運用をする際におすすめしているのが、豪ドル/NZドルの通貨ペアです。
狭い値幅で値がよく動く通貨ペアですので、まさに手動リピートFXに最適な通貨ペアとも言えます。
ここでは手動リピートFXで豪ドル/NZドルを運用するメリットについて確認していきましょう。
豪ドル/円との相関性が低い
豪ドル/NZドルを運用するメリットとして、豪ドル/円との相関性の低さがあげられます。
私のように豪ドル/円をメインで運用している場合、リスクを分散し収益の安定性を高めていく上で最適な通貨ペアだと言えます。
豪ドル/円相関係数一覧
【画像引用:sayatrade.com】
上の画像は第3回講義でも確認した豪ドル/円に対する主要通貨ペアの相関係数一覧です。
豪ドル/NZドルの相関係数は「0.16」ですので、豪ドル/円との値動きの相関性は非常に低いことが分かります。
豪ドル/円に対して相関性の低い通貨ペアを選ぶことで、リスク分散と収益の安定性の確保を実現出来ます。
豪ドル/円と豪ドル/NZドルの組み合わせで分散投資をすることは、リスク管理をするうえでも理にかなった通貨ペアとなっています。
想定するレンジが狭い
豪ドル/NZドルが手動リピートFXに向いていると言われる理由の1つに「レンジの狭さ」があげられます。
ここで過去のチャート画像をご覧ください。
豪ドル/NZドル過去の値動き
こちらは豪ドル/NZドルの2007年〜2020年末までの過去14年の値動きとなります。
期間中の最高値は2011年の1豪ドル=1.37912NZドル、最安値は2020年の1豪ドル=0.99934NZドルとなっています。
「0.0001=1pips」ですので、最高値から最安値までは約3,800pipsとなり、これが豪ドル/NZドルのレンジの広さとなります。
私は豪ドル/円を1ドル=50円〜1ドル=110円のレンジを想定して運用しています。
想定値幅は6,000pipsですので、豪ドル/NZドルがいかに狭いレンジで動いているかが分かると思います。
想定レンジが狭ければトラップ本数も少なく済みますので、必要資金も抑えられ資金効率アップが期待出来ます。
私の豪ドル/円、豪ドル/NZドル設定比較 | ||
豪ドル/円 | 豪ドル/NZドル | |
想定値幅 | 6,000pips | 3,800pips |
トラップ本数 | 300本 | 190本 |
さらに直近8年に限定した場合は、
「1豪ドル=1.0000〜1.1500NZドル」の約1,500pipsのレンジで価格が推移しています。
私は最高値までを想定した設定で運用をしていますが、攻めの設定で運用したい方はこの約1,500pipsのレンジで運用することも出来ます。
ハーフ&ハーフも取り入れれば、トラップ幅20pipsでも売り買いそれぞれ約40本ずつのトラップで8年間運用出来ていたことになります。
レンジを外れた場合の対応策も考えておく必要がありますが、かなりの高利益率で運用することも可能な通貨ペアとなっています。
狭いレンジで激しい値動き
先ほど画像で紹介したように、豪ドル/NZドルのレンジは狭く手動リピートFXに向いている通貨ペアだということが分かりました。
豪ドル/NZドルを運用するメリットは他にも存在します。
それが豪ドル/NZドルの「値動きの激しさ」です。
1日の値動きを示す数値としてATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)という指標があります。
豪ドル/NZドルの2021年12月末時点でのATR数値は53となっています。
狭いレンジに対して1日平均53pipsの値幅があるので、決済注文の約定する頻度も高く利益を重ねていくことが出来ます。
豪ドル/円、豪ドル/NZドル比較 | ||
豪ドル/円 | 豪ドル/NZドル | |
365日平均ATR | 71pips | 53pips |
想定値幅 | 6,000pips | 3,800pips |
上の表は2021年12月末時点でのATR数値と、私の設定での想定値幅を比較したものです。
私がメインで運用している豪ドル/円の同時期のATR数値は71となっています。
豪ドル/NZドルよりも高い数値ですが、その分レンジも広くなってしまいます。
レンジの狭さと値動きの激しさを兼ね備えた豪ドル/NZドルは、手動リピートFXで運用するのに魅力的な通貨ペアだと言えます。
豪ドル/NZドルの利益と証拠金
豪ドル/NZドルをはじめとしたクロス円以外の通貨ペアを運用するにあたって、各種数値の計算方法を理解しておきましょう。
私もはじめは戸惑いましたが、解説を読んで運用していくうちに身に付いてくると思うので心配はいりません。
通貨ペアの並び方の意味は?
豪ドル/円や豪ドル/NZドルといった通貨ペアの表記にもしっかりとした意味があります。
○○/△△という通貨ペアがあった場合、△△の通貨建てで○○の通貨を売買するという意味になります。
仮に並びが逆になれば取引の方向も逆になります。
例えば今回紹介している豪ドル/NZドルという通貨ペアであれば、NZドル建てで豪ドルを売買するという意味になります。
NZドル建ての売買ですので、決済損益もNZドルで計算されます。
実際の運用では決済されたときの対円レートを基準に円に替えられますが、厳密には豪ドル/NZドルの売買で利益が出た場合には
・NZドルで利益が発生
・決済時のNZドル/円レートに応じて円に替えられる
という手順が踏まれています。
クロス円以外の通貨ペアを運用する場合には、以上のことをしっかりと理解しておく必要があります。
利益の計算方法
クロス円以外の通貨ペアを運用する際の利益の計算は、慣れないと混乱してしまうと思います。
レートの表示のされ方もクロス円とは違うので最初は戸惑うかもしれません。
豪ドル/NZドルレート画面
上の画像は豪ドル/NZドルの実際のレート表示画面です。
赤く表示された買い注文のレートが「1.0617」となっています。
豪ドル/NZドルの場合、1pips=0.0001(クロス円での1銭分の値動き)となります。
豪ドル/NZドルで1通貨分の買いポジションを持っていた場合に、レートが1pips上昇すると損益は0.0001NZドルのプラスとなります。
小数点以下の数字が出てきて感覚的には分かりにくいですが、少しずつ慣れていきましょう。
実際の取引では、NZドル建てで確定した利益は決済時に円に替えられます。
例えば50pips=0.005NZドルの利益が発生し、1NZドル=80円であった場合の利益は
「0.005NZドル×80円=0.4円」
となります。
決済注文約定時の対円レートによって、利益の金額も変動するので注意が必要です。
・豪ドル/NZドルの利益計算方法
「豪ドル決済数量」×「0.0001×pips数」×「NZドル/円レート」
必要証拠金の計算方法
クロス円以外の通貨を運用する場合の、必要証拠金の計算方法にも注意が必要です。
豪ドル/NZドルの場合、保有する豪ドルの評価額に対する4%のNZドルを証拠金として維持する必要があります。
例えば100豪ドル保有時の豪ドル/NZドルのレートが1.1000であった場合の評価額は
「100豪ドル×1.1000=110NZドル」
となります。
なので必要証拠金額は
「110NZドル×4%=4.4NZドル」
となります。
実際の取引では必要証拠金も対円レートを参考に計算されるので、1NZドル=80円であった場合
「4.4NZドル×80円=352円」
というのが実際の必要証拠金額となります。
利益の計算と同様に、実際の対円レートによって必要証拠金額も変動するので注意が必要です。
・豪ドル/NZドルの証拠金計算方法
「豪ドル保有数量」×「豪ドル/NZドルレート」×「NZドル/円レート」÷25
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【第4回】手動リピートFX講座まとめ
以上で手動リピートFX講座ステップアップ編の第4回「クロス円以外の通貨ペアも運用しよう」の講義は終了です。
ほとんどの方がFXを始めた際に、クロス円の通貨ペアの運用から始めたのではないかと思います。
今回紹介した豪ドル/NZドルなどの通貨ペアは、クロス円とは数字の扱い方が異なるので敬遠されがちです。
確かに少し計算が複雑にはなりますが、運用方法をマスターすることで取引の幅が広がります。
基本事項をしっかりと理解して是非運用にチャレンジしてみてください。
第5回講義では実際に私が運用している豪ドル/NZドルの手動リピートFX設定を紹介します。
リスク回避型の設定で扱いやすいと思いますので、複数通貨ペアの運用をスタートしてみましょう。